森六HD、売上高は過去最高も減益に 樹脂加工での経費増やケミカルの原材料価格上昇が重しに

2019年5月17日に行われた、森六ホールディングス株式会社2019年3月期決算および中期経営計画説明会の決算説明パートの内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:森六ホールディングス株式会社 代表取締役 社長執行役員 三輪繁信 氏
森六ホールディングス株式会社 取締役 経営企画室長 宮腰弘幸 氏
森六ホールディングス株式会社 取締役 経理担当 下迫俊司 氏

会社概要

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三輪繁信氏:当社の決算説明会にご出席いただき、誠にありがとうございます。本日は、2019年3月期の決算内容、2020年3月期の予想、新しい中期計画等についてご説明しますので、よろしくお願いします。

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以前にも説明させていただいていますが、当社の概要を簡単にご説明します。当社は、1663年に創業しています。事業内容としては、四輪車向けの内外装部品を製造する樹脂加工製品事業と、化学品・合成樹脂製品の製造・販売を行っているケミカル事業を中核事業としています。グローバルで事業展開しており、連結従業員数は4,500名弱となっています。

事業概要①

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樹脂加工製品事業については、とくに主力取引先の本田技研工業向けの内装部品・外装部品(を手がけています)。主たる部品として、内装はグローブボックス、センターコンソール等です。外装部品は、塗装を施した部品を生産しています。

特徴としては、とくに長年にわたる本田技研の研究開発部門との取り組みによる開発体制の確立で、当社は日本・北米・中国・タイの4拠点で研究開発体制を構築しています。また、ホンダさまの海外生産工場に隣接したところで、生産・供給体制を確立しています。その関係で、ホンダグループとの強固なネットワークを構築している点が特徴です。

ケミカル事業については、化学の専門商社として、自動車材料、ファインケミカル、生活材料、電気・電子材料等の商社機能としての活動を行っています。こちらの特徴は、数多くのサプライチェーンとの長年の信頼関係に基づく「ものづくり」と「化学商社の知見」でのグローバル展開や、樹脂加工製品事業とのシナジー等の発揮です。

事業概要② 15カ国、51拠点のグローバル展開

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現在、15ヶ国、51拠点のグローバルで事業を展開しており、日本、北米、中国・アジアのそれぞれの地域別売上比率は、ほぼ3分の1で推移しています。また、海外売上高比率は3分の2を占めています。

それでは、3月期の決算内容については、経理担当の下迫からご説明します。

2019年3月期決算 業績

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下迫俊司氏(以下、下迫):2019年3月期の決算です。売上高はご覧のとおり、1,895億円で、4パーセントの増加。営業利益は86億円、経常利益は88億円で、コスト増のため減益となっています。

また特別利益として有価証券売却益が9億円あり、フィルム製造設備での減損11億円が加わりまして、親会社株主に帰属する当期純利益は61億円となっています。1株配当は4円増配になり、94円です。

2019年3月期決算 営業利益増減分析

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次は、連結ベースの増減分析です。スライド右側に、売上高の増減要因を書いています。お客さまの自動車生産台数が各地域で増加しました。自動車部品、自動車向けの原料はケミカルで商っていますが、販売が拡大しました。為替については、インドやインドネシアといった地域で新興国通貨を中心に円高になりました。1,895億円のうち、約2億円弱の為替影響があったかたちです。

その下に営業利益についての記載がありますが、セグメント別のところでご説明します。

2019年3月期決算 セグメント別業績

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セグメント別の業績です。ご覧のように、メーカーの樹脂加工製品事業、商社のケミカル事業とも増収で、利益については減益となっています。

2019年3月期決算 樹脂加工製品事業・営業利益増減分析

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樹脂加工製品事業……自動車部品メーカーの営業利益の増減分析です。左から2つ、台数変動と製品構成ですが、日本と北米を中心として自動車生産台数が増え、1台あたりの単価も上昇しています。この台数変動・製品構成の中には、メキシコ工場のVolkswagen向けの生産も寄与しています。

マイナスになっているところが労務費、その他経費です。運賃・保管料などが入っていますが、北米インディアナ工場において、去年の秋に現地の雇用難により生産の混乱、経費の増大という事象が発生しました。

時間外・休日出勤、臨時便による搬入、さらに日本からの支援で立て直しを行っており、経費の増大が発生しました。中国については、現地メーカーとの競合がだんだん激しくなり、前期比では減収減益です。

2019年3月期決算 ケミカル事業・営業利益増減分析

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ケミカル事業の営業利益増減分析です。商社については、日系の自動車部品メーカー、ファインケミカル分野といったところの既存のお客さまとの間の取引が堅調に推移しました。

ものづくり分野は、1億3,300万円のマイナスですが、これは四国にあるフィルムを作っている工場です。点滴バッグとハム・ソーセージなどの食品向けフィルムと、大きな柱が2つあるのですが、食品向けフィルムを作っているラインで原材料価格が上昇しました。

昨今では物流費も上昇しており、利益を圧迫しています。本来であればメーカーさまに価格改定をお願いするところですが、ハム・ソーセージメーカーさまは、次のお客さまがスーパーさまなどの小売業ということで、普段の価格改定が難しいため、そのまま原材料価格上昇分、物流費上昇分が減益要因になっています。

なお、こちらの食品向けフィルム製造設備については、先ほどお話ししました減損があり、11億8,600万円を特別損失として計上しています。工場の設備投資が大きくなっておりまして、ここしばらく営業利益が少しだけマイナスになっていたのですが、去年、このような赤字になってしまいましたので、減損を行いました。

2019年3月期決算 所在地別業績

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所在地別の業績です。短信とは別に、決算概要で所在地別の売上高と営業利益を、去年の第1四半期から公表しています。まだ前期比が出せませんこと、申し訳ありませんがご了承願います。

こちらで内訳を見ますと、売上は北米が34.6パーセント、アジアが26.2パーセントという比率です。営業利益は北米が生産の混乱で4,700万円の赤字となりました。アジアでは、63億円利益を出しています。

2019年3月期決算 所在地別・四半期売上高

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所在地別の四半期売上高となります。北米では、第2四半期が156億円とへこんでいます。例年、夏場にシャットダウンがありまして、稼働日数が少ない関係で毎年売上がここでへこみます。

そこから、秋に向けたモデルチェンジなどで売上が増えていくのですが、去年は第3四半期のところで生産が増えて、長く混乱が起こってしまったところです。

アジアについては、第1四半期と第4四半期が増えていますが、12月決算の中国で、春節に向けて生産が増える傾向があります。

2019年3月期決算 所在地別・四半期営業利益

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所在地別の営業利益も四半期別に並べています。北米ですが、夏場のシャットダウンで生産が減ったことから1億円の赤字です。また秋に、アメリカのインディアナで生産の混乱が発生し、全部で7億円ほどコストが増えてしまいました。しかし、他の工場が黒字でしたので、第3四半期は1億円のマイナス、第4四半期も1億円のマイナスというかたちです。

アジアは、春節で中国の生産が増えると利益も伸びるところがありまして、第1四半期と第4四半期で利益が増えています。これが去年のかたちです。

2019年3月期決算 資産・負債・純資産

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BSです。総資産が1,280億円ということで、52億円のマイナスとなりました。売掛金・投資有価証券が29億円ずつ減少しています。投資有価証券については、他の下落に伴う目減りがほとんどです。

純資産は7億円増え、負債は59億円減って、借入も全部で65億円としており、その結果、自己資本比率が51.8パーセントになっています。

2019年3月期決算 キャッシュ・フロー

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キャッシュ・フローです。税前利益と減価償却を足した数字では、去年とほとんど変わらないのですが、運転資金のところで30億円ほど増えまして、営業キャッシュ・フローが増加しました。

投資キャッシュ・フローは、一段落の状態が続いており、去年に比べると16億円ほど投資キャッシュ・フローが減った関係で、フリー・キャッシュフローは111億円に増えました。この分、借入の返済、配当の増額、現預金の積み増しなど、いろいろなところに充当しています。

2019年3月期決算 設備投資額・減価償却費及び研究開発費

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設備投資についてですが、先ほど申し上げましたように一段落ということで、去年、そして2019年3月期のところは90億円台で横ばいです。減価償却は、設備投資が増えたところと、鈴鹿の減損影響……金型で償却期間が2年間のところで、2億円ほど償却が増えています。研究開発費は3億円増えていますが、バックドアの樹脂化、あるいはドアライニングの開発で、試作などにかかっているものです。

2019年3月期決算 設備投資額

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設備投資額については、ご覧のスライドのとおりです。

それでは、トピックスについては経営企画室長の宮腰からご説明します。

2019年3月期 トピックス①

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宮腰弘幸氏:2019年3月期のトピックスをご説明いたします。まず、樹脂加工製品事業ですが、日本国内です。お客さまの国内生産再編がありまして、狭山工場さまの縮小が予定されています。それに伴い、鈴鹿での生産が増えるということで、私どもの鈴鹿工場で大型の塗装部品に対応した新塗装の工場を建設しています。この塗装ラインの増強により、増産分を自社工場で生産することができます。

これで、商品の安定供給と品質の向上、また中長期的な収益力の向上につなげていくということです。日程的には、2020年1月に量産開始を予定しています。

そして、新たな部品生産です。私どもが「Tゾーン」と呼んでいるラインがありまして、その部分からサイド……ベルトラインのところの部品展開を、10年くらい前から進めていました。こちらについては、2020年のモデルで量産開始というかたちで、新たな受注につながっています。

インパネとドアライニングを一括受注できたのは、私どもが初めてのケースと捉えています。

2019年3月期 トピックス②

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樹脂加工製品事業の海外です。メキシコ工場は、Volkswagenさまの2車種目の部品の採用が決定しています。2020年から量産開始ということで、それに向けてメキシコ工場は今、拡張を進めています。既存の工場から大きく拡張し、敷地面積は4倍に増床するという内容です。

さらに、今後の新たな受注も含めて複数のメーカーさまの部品が生産できるように、工場内のエリアを間仕切りする設計で進めています。総投資額は約50億円です。

また、先ほど社長からもお話がありましたが、10月から北米の生産の混乱が発生しました。この再発防止策ということで、管理面、現地での要員確保、それから一時的になりますが、日本から現地へのマネジメント的な支援や強化を進めて、立て直していきます。

生産については、すでに安定しています。この後も、スライドにある再発防止策に取り組み、事業収益を上げるかたちで対応していきます。そして、先々は現地の経営層をしっかり育成するところを進めます。

2019年3月期トピックス③

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ケミカル事業です。機能性フィルムを生産している四国化工ですが、こちらでクリーン(ルーム化した環境)と高強度の薄肉フィルムの生産技術を確立しました。それに伴い、完全クリーンルーム化した生産環境の新工場の設立を進めています。本年11月から稼働予定です。

従来のフィルムでは、食品領域等での利益確保はなかなか厳しいのですが、この技術を使って、なんとか利益を確保していくということです。とくに、食品領域・医療領域に展開していきたいと考えています。

そして、グループ全社ですが、中国・アジア地域で基幹システムの統合を進めています。これにより、日本、または各拠点間の中でデータ等が確認できるかたちになり、決算の早期化、また事業面の情報を一元管理できることによるガバナンス強化を進めます。より一層、中国・アジア地域での事業展開を加速していきます。

2020年3月期予想 前提条件

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下迫:それでは、今期の予想についてご説明します。まず前提条件ですが、スライドにありますように、ドルについては110円、中国元については16円20銭で計算しています。

2020年3月期予想 連結業績

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連結業績については、売上高が1860億円で、1.9パーセントの減収。営業利益が90億円、経常利益が89億円、親会社株主に帰属する当期純利益が63億円ということで、増益の計画です。

2020年3月期予想 セグメント別売上高

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セグメント別の売上高ですが、ご覧のスライドのとおりです。売上については、樹脂加工製品事業でお客様の生産台数の減少に伴い、売上が6パーセントの減少です。

ケミカル事業については、海外関係、ものづくり関係のところでプラスになり、5.6パーセントの伸びとなります。

営業利益ですが、樹脂加工製品事業で体質強化に努めて0.4パーセントのマイナスとほぼ横ばいで、75億円の確保を見込んでいます。

ケミカル事業については、フィルム製造の持ち直しと、減損の影響で1億4,000万円、減価償却が減っていきます。また中国・アジアへの展開といったところも考えて、15億円の営業利益を見込んでいます。

2020年3月期予想 所在地別売上高

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所在地別の売上高については、ご覧のスライドのようなかたちです。お客様の自動車生産においては、各地域で台数が減るということで、とくに北米がマイナスになっています。ケミカル事業のほうで、日本・アジアといったところは数字が伸びていきますので、このあたりはプラスにしています。

2020年3月期予想 株主還元

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最後に、株主還元です。2020年3月期の配当金については、8円増配して102円を予定しています。中間で51円、期末で51円で、それによって配当性向は26.8パーセントとなっています。

先ほどのお話にもありましたが、中期計画では株主総還元性向30パーセントを目標としています。自己株についても、今度の株主総会、取締役会での決定で、自己株の取得ができるように定款変更を予定しています。機動的な資本政策の取り組みということで、ご理解いただきたいと思います。

また、上場の際に自己株を売って調達した資金が少し残っていますので、その使い方も見ながら、時期的なところは判断させていただきたいと思います。何卒よろしくお願いします。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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