もしあなたが自分の担当分野に自信があるのなら、あえて非の打ちどころがないような接客をしてみるのも一つの手かもしれません。

ある証券会社で働くCさんは、窓口対応で「若いやつは信用できない」「どうせ新人だろう」と言われ、理不尽なクレームを受けたことがありました。しかし、Cさんは若く見られがちですがもう6年目。会社のこともわかっていて、商品やサービスの説明にも自信があったと言います。

来店したときから「なんだ、お前みたいなのじゃ話にならん」と、手で追い払うようなしぐさをされたCさん。それに動じず「ご来店いただき、ありがとうございます」と深々と頭を下げ、「本日はいかがなさいましたか?」と尋ねました。

その顧客は依然として「上のやつを呼んで来い」「お前じゃ話にならない」と大声で言っていたらしいのですが、Cさんは毅然とした態度で個室に案内し、上司を呼ぶから要件だけ教えてもらうように何度かお願いしたと言います。

ようやく「いま買っている株の件だ」と答えた顧客に、「何の銘柄をお持ちですか」と尋ねて銘柄を聞き出したと言います。そこからは、Cさんの豊富な知識でその銘柄の今後の展望や今の値下がりの原因などについて簡潔に解説したのだそう。

すると、さっきまで騒いでいた顧客もCさんの話を真剣に聞き始め、最終的には「あんたは詳しいな」「今の担当者よりいい」と担当者の変更を要望されるまでになったのでした。

彼女のように商品やサービスの説明に自信がある場合、毅然とした態度でクレーム顧客に対応することも可能です。クレームの根本は不信感や不満。それを払拭するような接客ができれば、クレームを言っていた人がかえっていい顧客になってくれることもあるのです。

まとめ

いかがでしたか。クレーム対応というと腰が引けますが、ちょっとしたコツを掴めば過度な心配はいらないものなのです。何パターンかクレーム対応の術を持っておいて、そのお客さんのタイプを見極めどの対応が一番いいのか瞬時に判断できるといいですね。色々な人のクレーム対応のコツを聞くことも、クレーム対応が上達する一つのコツですよ。ぜひ身の回りの人にも聞いてみてくださいね。

大塚 ちえ