今の40代は、かつて就職氷河期を経験した世代でもあります。住宅ローンや子どもの教育資金などの出費が続くなか、介護保険料の支払いもスタート。老後を見据えて貯蓄額を増やしたいものの、負債額も減らしていかなければならない…。そんな就職氷河期世代の現状に迫りました!

就職氷河期を経験した不遇の世代、40代

就職氷河期中に就職活動をすることとなった40代の方のなかには、新卒で正社員として採用されなかったケースも多く存在します。その結果、同世代のなかで「持つもの」と「持たざるもの」の差が大きく広がりました。

また、2017年末に放映されたNHKの『クローズアップ現代+』の「アラフォー・クライシス」では、有効求人倍率がバブル期を超え、各世代で月収が増加している一方で「アラフォー世代(主に40代前半)の給与のみ5年前の水準に比べて約2万円下がっている」とも報じられています

かといって、40代で中小企業から大手企業への転職を狙うのは困難。優秀な人材にもかかわらず、低い給料でやりくりしている人も多いようです。女性においては、結婚や出産で一度退職したのちに正社員雇用を狙うのも難しいでしょう。

派遣社員の人も多いなか、リーマンショック後には派遣切りをされた人も。女性にとって安定して働けない環境も多く、「家計を助けたい」という理想の実現は厳しいのが現状でしょう。

40代の貯蓄・負債現在高とは?

総務省統計局の「家計調査報告[貯蓄・負債編]平成29年(17年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」によると、世帯主が40~49歳の世帯の平均貯蓄額は1074万円、平均負債額は1055万円となっています。40代の貯蓄と負債額は同額程度といえそうです。50~59歳の世帯だと、平均貯蓄額は1699万円、平均負債額は617万円と負債額が減って貯蓄しやすくなります。

まだローンなどの支払いが残っていて家計のやりくりが大変かもしれませんが、老後に必要な貯蓄額を把握し早めに貯蓄に取り掛かりましょう。

年代別、金融資産保有額は?

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](18年)」から、金融資産保有世帯の年代別金融商品保有額の平均値と中央値をみてみましょう。(カッコ内は平均値)