公共のトイレで、用を足しているような気配もなく静かな「開かずの扉」を前に、便意を我慢するはめになった、なんて経験はありませんか?
実は、公共の個室トイレでスマートフォンをいじり、トイレに長居する「こもりスマホ」が増えているようなのです。

「社内のトイレでスマホ」約4割

オフィスで働く1041名を対象にしたTOTOの調査によると、「オフィストイレの大便器ブースで携帯電話・スマートフォン・タブレットを使用したことがある」と回答した人は39%に上りました。

ネット上では、

「トイレくらいしか気分転換できる場所がないから会社のトイレでスマホいじってる……」
「会社のトイレでスマホいじって飲み会誘われるの回避してる」
「会社のトイレでスマホしてたら電気消された」

と、実際にトイレでスマートフォンを利用する人の投稿が多く見られます。

「こもりスマホ」に怒りの声

こうした「こもりスマホ」は、もちろんオフィスのトイレだけでなく、駅やデパート、公園などの公衆トイレでもしばしばあるようです。これに対してネット上では、

「ぜんぜんトイレから人出てこないと思ったらスマホいじりながら出てきてキレそうになった」
「モバイル通信妨害電波を発するトイレ用照明器具作ったら売れないかな」
「自分勝手すぎる。少しは待ってるやつのこと考えろよ」
「家ならまだしも公共のトイレでスマホはやめてくれ」

などと憤る声が数多くあります。また、2018年のテレビ番組では、お笑い芸人のケンドーコバヤシさんが「公衆トイレでスマホをいじっている人がいて待ち時間が長過ぎる!」と苦言を呈しています。

「トイレでスマホ」の危険性

このように他人に迷惑をかけている「こもりスマホ」ですが、実は「こもりスマホ」をしている人にも大きなデメリットがあります。

洋式便器に長時間座っていると、肛門に大きな負荷がかかり、痔になる可能性が高くなってしまうようです。また、衛生的にもよい環境ではなく、アメリカ家庭医学会のジェフリー・ケイン会長は「携帯電話に付いた細菌がインフルエンザや下痢などの原因になる」とも述べています。

また、オフィス仕事で精神的に疲れている人は多くいますが、トイレまでスマホを持ち込むと、いよいよ脳が休まることがありません。もちろん、ぼーっとする時間が長過ぎても次の人への迷惑になりますが、用を足す数分だけでも、なんの情報も受けていない状態をつくることで、ストレスが低減され、集中力も上がるといわれます。

スマホとの付き合い方、大丈夫?

いまやお馴染みとなってしまった「ながらスマートフォン」ですが、よくいわれる「歩きスマホ」同様、他人のためにも自分のためにも「こもりスマホ」はやめるべきでしょう。

いずれにしても、スマートフォンの使い方をいま一度、見直すべき人は多くいそうですね。

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