働き方改革が進み残業規制が厳しくなったいま、身体的・精神的な負担が軽減される一方で家計が苦しくなったという人も多いのではないでしょうか。「生活残業」という言葉もあるように、残業代が出ることで生活していけるケースもあると思います。そこで今回は、残業代が減って家計が苦しいときのリカバリー法をご紹介します。

働き方改革で減る手取り額を把握しよう

まずは働き方改革によって、実際にいくら手取り金額が減りそうなのかというのをはっきりさせなくてはなりません。なんとなくイメージはつくかもしれませんが、そこは一度計算してみましょう。毎月の給与明細を見てみて、残業代の額を把握します。

いま、もし残業代がゼロになって基本給だけになったらあなたは生活していけるでしょうか。無理だと思う人も少なくないですよね。では、残業代が半分になったらどうでしょうか。基本給と半分の残業代で生活していけますか? こうして想像していくと、自分の残業代がどのくらい減ると生活が成り立たなくなるかわかりますよね。

実際、働き方改革では原則、時間外労働が45時間までとなっています。45時間以内の残業で普段から生活している人はあまり支障がないかもしれませんが、これを超える残業が常態化しており、その分の残業代も生活費として使っていた場合には大問題です。また、45時間以内の残業で済んでいた人も、残業時間の短縮を口うるさく言われて残業代が大幅に減るということも十分ありえます

残業代で維持していた家計を立て直すには

残業代が減るとなると、毎月数万円の手取りが減るという人も多いでしょう。月数万円はかなりの痛手です。それをリカバリーしようと思うと、かなりの努力が必要ですよね。

ただ、残業時間が減る分時間に余裕ができるので、時間をかけることでできるだけ生活コストを減らすというのも一つの手です。わかりやすい例でいえば自炊ですね。今まで忙しくてコンビニ弁当で済ませていたシングルの人も、ファミリーでも忙しくて外食が多かった人などは特にチャンスだと言えます。

また、外注していた家事を自分の手を使ってやることもできます。たとえばクリーニングですね。自分でアイロンがけや袖口の漂白などのケアをするようにして、少しでもクリーニング屋さんに出す回数を減らしてみてもいいでしょう。

昼食も、今までコンビニ弁当や外食で済ませていたものを自分でお弁当を作って持っていくなどの方法もあります。お弁当を作るのはちょっと大変ですが、毎月の昼食代が大きく浮くのでおすすめです。自分の好きなものを詰めたり、量を調整して、節約と一緒にダイエットも始めてしまうというのもいいですね。

生活水準を落とすことは難しい

言うのは簡単だけれど、実行するのが難しいのが「生活水準を落とす」ということ。手取り額が減ったのだから、生活水準を落とすのは当然のこと、と考えるかもしれません。しかし、生活水準を落とすのは難しいので、できることから少しずつ、じわじわと生活スタイルを変えるといいですね。

つまり水準を落とすのではなく、生活スタイルを変えるのです。先ほどの自炊の話もそうですが、これまで外食ばかりだったのを自炊に切り替えて生活スタイルの変化を楽しむように心がけると続けやすいですね。

また、夜は早寝にして遅くまで電気代を使わないとか、洗濯も湯舟のお湯を使うとか、飲み物は水筒に入れて持ち歩くようにするとか、小さなことのように思うかもしれませんがこういう生活スタイルの変化によって自然と出費を減らすこともできるのです。

飲み会を減らして自宅で勉強する時間を増やし、資格を取れば昇給につながったり手当がつくかもしれません。お金のかかる趣味との向き合い方を変えるとか、他の趣味にスイッチしてみるとか、そういう生活スタイルの変化を考えれば無理なく、窮屈に感じないまま出費を減らすことができそうですよね。

空いている時間で副収入を得る

手取りが減ったことを補うために、副収入を得ようという人も多いと思います。自由に使える時間もあるし、これまでにやったことのない新しいことにチャレンジしてみるのにもいい機会です。

身近なところで言えば、フリマアプリで自分にとって不要なものを売ったり、ポイントサイトでポイ活をしてポイントを貯めていたりする人もいるでしょう。株や投資信託などで配当や運用益を得たり、株主優待を利用してちょっとおトクに過ごしている人もいますよね。

こうした副収入のほかにも、手芸でアクセサリーを作って販売していたり、イラストを描いてそれをお金にしていたりする人もいます。趣味と実益を兼ねて、月5000円でも1万円でも得られそうなものがあれば、これを機に始めてみるのもいいかもしれません。

一方、投資でお金を減らしてしまってはあまり意味がありません。下手に短期トレードをするよりも堅実な投資先を選んでゆっくり値上がり益や配当、株主優待のメリットを得られるといいですね。

まとめ

いかがでしたか。手取り額が減るのは大きな痛手です。しかし、できるだけ前向きに受け止めて、なんとか工夫次第でうまくいくようにならないものかと考えてみてはいかがでしょうか。上手に節約するのもいいですし、もっとポジティブなアクションとして資格を取って手当をもらい手取りを増やすとか、副収入を得るとか、できることは色々あります。これを機に、一度自分ができることを考えてみてはいかがでしょうか。

大塚 ちえ