過熱する不動産融資に日銀が“イエローカード”。地銀苦境のツケは結局消費者に?

スルガ銀行問題は氷山の一角

昨年4月18日は、女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を展開するスマートデイズ社が、東京地裁から民事再生法の申し立てを棄却され、破産手続きに移行することが発表された日です。実際には、その約1週間前に民事再生法を申請していたのですが、結局は事業再生が困難と判断されました。

そして、この日を境に、徐々に表面化しつつあったシェアハウス問題が一気に社会問題となり、多くの所有者に多額の融資を行っていたスルガ銀行に批判が集中したのです。

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過剰融資実施のスルガ銀行、最安値386円は約34年ぶりの安値水準

スマートデイズ社が破産宣告を受け、スルガ銀行の過剰融資が問題視された時点で、スルガ銀行の株価は2017年秋頃まで維持していた概ね2,600円前後の水準から既に半値以下(約1,200円)になっていました。

しかし、ここからさらに売り込まれ、今年(2019年)の年初には386円まで下落しています。ザックリ言うと、一連のシェアハウス問題の表面化により、株価は直近高値(2017年7月の2,810円)から▲86%下落したことになります。約1年半という時間を要したとはいえ、稀に見る大暴落と言っていいでしょう。

ちなみに、最安値の株価386円は1985年1月以来の安値水準でした(株式分割調整後)。ブラックマンデー(1987年)、バブル崩壊(1992年)、リーマンショック(2008年)でも付けなかった安値であることからも、今回の問題の深刻さが分かります。

スルガ銀行の過去10年間の株価推移

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スルガ銀行の2019年3月期の最終損益は▲975億円の巨額損失へ

一連のシェアハウス問題に関し、スルガ銀行が実施した過剰融資は焦げ付きが避けられない見通しであることから、多額の貸倒引当金の計上を余儀なくされました。2019年3月期決算は、最終損益が▲975億円の赤字となる見込みです(注:会社予想)。これは、地方銀行としてはほとんど前例のない巨額損失です。

さらに、計上した貸倒引当金は十分とは言い切れず、今後も追加的な損失発生の可能性も指摘されます。また、金融庁による一部業務停止の影響もあり、経営再建が待ったなしの状況になっています。

他の不適切な過剰融資事例が次々に発覚

ただ、今一度振り返ってみると、一連のスルガ銀行による過剰融資問題は、地方金融機関(主として地方銀行)が置かれた厳しい収益環境が引き起こした氷山の一角である可能性が高いことを認識しなければなりません。

実際、その後に明らかとなった不適切な過剰融資は、東日本銀行などで次々と明るみになりました。また、金融機関ではありませんが、TATERUの過剰融資の事例も発覚しています。

ついに日銀が過熱する不動産融資に“イエローカード”

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国立大学卒業後、国内・外資系の金融機関にて23年勤務後に独立。証券アナリストなどの職務を経験し、ファイナンシャルプランナー関連等の金融系資格を多数保有。専門は株式投資、貴金属投資、年金、相続、不動産。