株式市場の振り返り-日経平均株価は続伸となった一方、TOPIXは今年初の5日続落

2019年4月12日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,870円(+159円、+0.7%) 続伸
  • TOPIX 1,605.4(▲1.1、▲0.1%) 5日続落
  • 東証マザーズ株価指数 919.7(▲12.7、▲1.4%) 続落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:809、値下がり銘柄数:1,219、変わらず:113
  • 値上がり業種数:12、値下がり業種数:21
  • 年初来高値更新銘柄数:64、年初来安値更新銘柄数:64

東証1部の出来高は11億178万株、売買代金は2兆2,522億円(概算)となりました。出来高は前日よりやや減りましたが、売買代金は増加しています。特段の手掛かり材料がない中、様子見スタンスが続きました。売買代金は増加しましたが、ミニSQ算出に伴う嵩上げがあったことを割り引くと、概ね前日並みだったと推察できます。いずれにせよ、低水準の商いを脱することはできませんでした。

そのような中、日経平均株価は強含みで推移しました。前場の序盤に一時▲12円安のマイナス圏に沈みましたが、そこから上値を追い始め、大引け直前には一時+167円高まで上昇する場面が見られました。最後も大きく失速することなく、続伸で引けています。

一方、TOPIXはほぼ終日マイナス圏で推移し、最後も小幅下落で引け、これで5日続落となりました。TOPIXの5日続落は今年初であり、昨年12月18日~25日以来のことです。今週のTOPIXは、堅調に推移する日経平均株価と好対照な値動きだったのが目立ちました。

東証マザーズ株価指数は続落、売買代金は47日連続で1,000億円超え

東証マザーズの出来高は8,538万株、売買代金1,585億円となり、いずれも前日より減少しました。ただ、前日よりは減ったものの、医療バイオ関連株を中心に個人投資家の物色意欲が強まり、売買代金は47日連続で1,000億円超となる活況な商いでした。

ただ、前日に続き主力銘柄に利益確定売りも出たため、株価指数は続落となりました。900ポイント割れの懸念はやや遠のきましたが、ここから1,000ポイントを目指すかどうか注目されましょう。

前日の決算発表銘柄に明暗。ファーストリテイリングが爆騰、ローソンは大暴落

個別銘柄では、前日に上期決算発表を行ったファーストリテイリング(9983)が、通期予想を小幅下方修正したにも拘わらず一時+8%超高となり、日経平均株価の上昇を牽引しました。この類の値嵩株が+8%超高になるのは、急騰というよりは爆騰と言っていいでしょう。

また、ソフトバンクグループ(9984)も一時+5%超高の急騰となり、ファーストリテイリングと同様に株価指数上昇へ大きく寄与しています。なお、両銘柄とも年初来高値を更新しています。

一方、前日に通期決算を発表したローソン(2651)に失望売りが殺到し、一時▲15%安に迫る大暴落となりました。なお、終値も▲12%超安でした。

また、セブン&アイ・ホールディングス(3382)も大幅安となり、ローソンとともに年初来安値を更新しています。さらに、高島屋(8233)、三越伊勢丹ホールディングス(3099)、イオン(8267)なども継続的に売られ、いずれも年初来安値更新となりました。

その他では、りそなホールディングス(8308)が連日で年初来安値を付けたことが目を引いています。

新興市場(東証マザーズ)では、オンコリスバイオファーマ(4588)が一転してストップ安(▲21%弱安)の大暴落となり、そーせいグループ(4565)や窪田製薬ホールディングス(4596)も大幅安となりました。一方、手間いらず(2477)やファイバーゲート(9450)が値を上げて年初来高値を更新しています。

葛西 裕一