培養肉に「食べてみたい」「気持ち悪い」と賛否の声

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みなさんは「培養肉」と呼ばれる食べ物をご存じでしょうか? 「培養肉」とは、動物の細胞を体外で人工培養することでつくられた肉のことで、「クリーンミート」「純肉」などとも呼ばれます。

その培養肉ですが、先日、「本物の牛肉により近い食感の培養肉をつくることに成功した」と日清食品ホールディングスと東京大学の研究グループが発表し、話題を呼んでいます。

本物みたいな人工肉

日清が発表した培養肉は、細長い牛の筋細胞を積み重ねた、サイコロステーキ状の筋肉組織です。これまで培養肉というと、そのほとんどがミンチ肉状で、今回のように層状の大きな筋組織の培養に成功したのは世界初だといいます。

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日清は、さらに大きな筋組織の作製法を研究することで、将来的には肉本来の食感を持つ「培養ステーキ肉」の実用化を目指すようです。

培養肉は、地球規模で人口が増え続けている中での食料供給の持続性、家畜飼育による環境への負荷、食肉の衛生問題といった観点から、それらを解決するものとして注目を浴びています。

すでに実用化の一歩手前

2013年には、オランダで世界初の「人工肉」のハンバーガーが発表されたほか、アメリカや日本の企業が培養肉の研究に取り組んでいます。

今はまだ、作製に多大な費用がかかりますが、どの企業も最終的には現在、食べられている肉よりも安価に大量生産することを目指しています。食感などにそれほどこだわらなければ、すでに実用化の一歩手前だともいわれます。2018年11月には、アメリカ農務省が培養肉の監督をする計画を発表しており、今後ますます市場の拡大が見込まれます。

また、この動きは「動物の命を奪って食料とするのは倫理的にどうか」と肉食に反対する人たちに対しても、新しい選択肢を提供するものとして注目されます。もちろん、ベジタリアンやビーガン(卵や牛乳など動物由来の食品を一切食べない人)の人が、培養肉を食べたいと思うかどうかは別ですが。

消費者の反応は?

こうした動物を殺すことのなく食べられる肉に対して、ネットでは、

「ワクワクする! すげえ!」
「食べてみたい」
「食料として殺される命が減るのはヒューマニズム的に良い事だと思う」

といった肯定的な意見が見られます。先ほども触れたベジタリアンやビーガンの中でも、「人工の肉は倫理的に問題はない」と考える人も多いようです。

2019年にアメリカで行われた消費者意識調査では、8割近くの人が「人工肉を購入する可能性がある」と回答しており、新たな食糧の可能性を期待する人も多いようです。

浮上する新たな問題

しかし、一方で、

「気持ち悪い。こんなもの食べたくない」
「クソまずそう」
「そのうち本物の肉は贅沢品、みたいな時代になりそう」
「ディストピア感半端ない」

と拒絶反応を示す人や、あまり培養肉をよく思わない人も少なくありません。

また、2017年の調査では、「人工肉でなら、ネコやイヌも食べてみたい」といった声が上がったほか、2018年には生物学者のリチャード・ドーキンス博士が自身のツイッターで「人工培養によって共食いへのタブーを克服できるのではないだろうか」と発言し、物議をかもしていました。動物を屠殺することはなくなっても、別の倫理的な問題が出てくるのは確かなようです。

培養肉はこれからどうなる?

このように、メリットの多い培養肉ですが、低コストでの量産技術はまだ確立されていないため、価格は高く、流通が始まるにはまだもう少し時間がかかりそうです。加えて、いくら人口増大に伴う食糧問題などの解決の糸口になるとはいえ、健康への影響や安全性、そして根本的な話として味や食感も気になります。

培養肉の研究は、おそらく今後ますます盛んになると予想されますが、従来の食用肉に取って代わり、普通に食卓に並ぶ日はいつごろになるのか、そもそもそういう日がくるのかこないのか。今後も注目したいところです。

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参考記事

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2005年創業。ビジネス書・実用書を中心とした書籍出版や企業出版、メディア・コンテンツ事業、デザイン制作事業などを手がける。

主な刊行書籍に、20万部突破の『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』をはじめ、『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』 『起業家のように企業で働く』 『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』 『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』 『自分を変える習慣力』 『鬼速PDCA』など。