さて、年度ごとに見ていくと、平成12年度(2000年度)に703円となって以降、平成21年度(2009年度)の791円まで700円台を維持していました。

ところが、平成22年度(2010年度)に821円と800円台に突入し、平成27年度(2015年度)には907円、さらに平成29年度には958円へと上昇しています。

最低賃金は10年間で、約30%増加しています。ざっくりといえば、企業が支払うアルバイト代は、10年前に比べて3割上昇しているともいえるのです。

値上げがしにくいメニュー構成

企業努力で追いつかないコスト増は、価格に転嫁するのが健全な経営判断といえます。しかし、現実はそうたやすくはありません。

吉野家は2014年の消費税増税もありに、牛丼並盛を280円から300円へ値上げし、その年の12月には300円から380円へとさらなる値上げを断行しました。その結果、客数の大幅な減少を招きました。

「人件費が上昇しているので、値上げは当然だろう」という声もあろうかと思います。