株式市場の振り返り-日経平均株価は小幅反落、配当落ちを考慮すれば実質的に上昇

2019年3月27日(水)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,378円(▲49円、▲0.2%) 小幅反落
  • TOPIX 1,609.4(▲8.4、▲0.5%) 反落
  • 東証マザーズ株価指数 961.1(+20.3、+2.2%) 大幅続伸

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:792、値下がり銘柄数:1,266、変わらず:67
  • 値上がり業種数:8、値下がり業種数:25
  • 昨年来高値更新銘柄数:19、昨年来安値更新銘柄数:21

東証1部の出来高は13億1,128万株、売買代金は2兆3,799億円(概算)となり、いずれも前日より大幅減少となりました。米国株の反発など好材料はありましたが、全体的には手掛かり不足感が強く、模様眺めムードが支配的だったようです。売買代金は前日から約▲9,000億円減少するなど、盛り上がりに欠けた商いとなりました。

そのような中、日経平均株価は終日マイナス圏での推移となりました。ただ、前場の終盤には一時▲185円安まで売られたものの、その後は徐々に下げ幅を縮小する展開でした。

結局、小幅反落で引けましたが、配当落ちによる影響が約▲180円弱と推測されるため、実質的には上昇したと見ることもできます。底堅さが目立った値動きと言えましょう。

なお、TOPIXも同じような値動きで反落となりましたが、下落率は日経平均株価より大きくなりました。中小型株を中心に、前日の配当狙いによる買いが持続しなかったことが背景にあると見てよさそうです。

東証マザーズ株価指数は続伸、売買代金は35日連続で1,000億円超え

東証マザーズの出来高は1億71万株、売買代金1,564億円となり、いずれも前日より増加しました。出来高は5日ぶりに1億株を上回り、売買代金は35日連続で1,000億円超になるなど、医療バイオ関連株を中心に個人投資家の物色意欲はまだ続いていると考えられます。

また、株価指数も大幅続伸となり、久々に1,000ポイントをうかがう位置に付けました。今後の展開が注目されます。

トヨタ自動車など自動車株が総じて下落、塩野義製薬など医薬品株の一角が大幅高

個別銘柄では、KDDI(9433)が大幅安となり、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)やセブン&アイ・ホールディングス(3382)などコンビニ株も値を下げました。

また、自動車株にも売り圧力が強く、トヨタ自動車(7203)が冴えない値動きとなり、高配当が評価されていた日産自動車(7201)やSUBARU(7270)は配当落ちの影響で大幅下落となっています。

その他では、銀行株を始めとする金融株も下落が目立ち、りそなホールディングス(8308)が昨年来安値更新となったのが目を引きました。

一方、塩野義製薬(4507)や中外製薬(4516)など医薬品株の一角が大幅高となり、花王(4452)や資生堂(4911)も堅調に推移しました。

また、日本電産(6594)やローム(6963)など電子部品株の一角が大幅上昇となり、東海旅客鉄道(9022)も連日で昨年来高値更新となっています。

新興市場(東証マザーズ)では、アンジェス(4563)が一時+20%超高の爆騰となり、窪田製薬ホールディングス(4596)も4日ぶりの大幅反発となりました。一方、メルカリ(4385)はわずかに下落し、ウォンテッドリー(3991)は高値更新後に急落して引けています。

葛西 裕一