SNSを見て「わ〜! すてきな部屋!」と憧れたり、テレビの部屋特集を見て 「こんなお部屋にしてみたいな」と思ったり、そんな経験をしたことはありませんか?けれど、わが家を見渡してみると狭いし賃貸だし、そもそもセンスもお金もないから、という理由で諦めている人が多いかもしれません。

しかし、「センスがなくても、今あるモノであか抜けた部屋はつくれる」とインテリアコーディネーターの荒井詩万さんは言います。今年2月に発売した著書『今あるもので「あか抜けた」部屋になる。』の中から、誰でも簡単にマネできるインテリアのルールをご紹介します。

リビングの特等席にテレビを置いてはいけない

〝すてきな部屋〞〝居心地のよい部屋〞と印象づけるためには、 扉を開けたときに何が見えるのか? 部屋の中に入って、ソファやダイニングの椅子に座ったとき、何が見えるのか?この〝何が見えるか〞を意識することが大切です。入口から見て対角のスペースは、いちばん目がとまる場所。まずはこのスペースにフォーカルポイント(見せ場)をつくりましょう。

そしていろんなお宅を見て実感すること。例えばいちばんいい場所にテレビが置かれていることが多いです。これ、非常にもったいないんです。テレビは電源が入っていないと、ただの黒いかたまり。入口を入って対角にテレビがあると、部屋全体の印象が無機質で冷たい感じになります。

入口から見た対角には、テレビではなくソファを置いたほうが 断然あか抜けます。「おかえりなさい」「いらっしゃい」 というウェルカムな雰囲気になります。コンセントの位置が限られているなら、延長コードを使う手もあります。それでも動かせない場合は、テレビではない〝別なモノ〞に目線がいくようにしましょう。

テレビ台の横に大きめの観葉植物を置いたり、天井からグリーンを下げたり、壁に絵を飾ったりするのもおすすめです。植物や絵に目線がいくように仕向けると、無機質な感じがやわらぎます。

新しいソファを買わなくても「布」があれば雰囲気は変わる

リビングで大きい面積を占めるソファには布を掛けてみてください。それだけで、おしゃれな雰囲気になります。ソファの汚れ防止にもなりますし、何より新しいソファに買い替えた気分を味わえます。ポイントは布をぴちっとさせずに、ふんわりと全体に掛けること。ちょっとシワがあったほうがこなれた感じになります。

テーブルクロス、ベッドのシーツ、ベッドカバー、なんでもいいので、ソファ全体をおおう大きいサイズの布がいいですね。色はベージュやグレーがおすすめ。どんな部屋とも合いますし、そこにカラフルなクッションを並べれば、ソファが一気に華やぎます。クッションの数は「3個」が正解です。奇数にすると動きが出るからです。偶数にしてシンメトリー(左右対称)に配置すると、カチッと堅い印象になります。

リビングはリラックスする空間なので、ゆるい雰囲気になるアシンメトリー(左右非対称)が落ち着きます。ソファの左右にそれぞれ2個・1個で置く(合計3個)。このとき、入口から見て、ソファの奥に置く数を多くすると、安定感が生まれます。3個のうち、 2個は、白、ベージュ、グレー、茶色など、ベーシックな色にします。残りの1個は、ちょっとインパクトのある色に替えてみましょう。柄入りもいいですね。するととたんにあか抜けます。

1つだけ買い足すなら断然「照明」がおすすめ

もし、今のお部屋に何か1つだけ買い足すとしたら「照明」がおすすめです。
基本的に家の照明は天井についた丸い蛍光灯だけ、という方が多いと思います。実はこれ、あまりおすすめできません。部屋全体に光がパーッと行き渡るので、明るさはあります、でもそのぶん部屋がのっぺりして、殺風景な印象になってしまうのです。

ここでいう「部屋がのっぺりする」というのは、白っぽい光で均一に明るいこと。リラックス効果も弱まります。天井にひとつしか照明をつけていない場合、もうひとつ照明を足してみてください。 テーブルライトや フロアライト 、クリップタイプのスポットライトな ど 、種類はなんでOK。アロマランプもいいですね。部屋がぐっとリラックスモードになります。

背の低いフロアライトは、床に置く。背の高い照明やクリップタイプなら、壁面を照らす。こうすると、直接光源が見えません。また陰影が生まれて部屋が広く見えます。複数の照明なんて無理......と感じる人には、もっとも手軽なクリップタイプのスポットライトがおすすめです。

観葉植物の鉢のフチや、テレビの後ろなどにはさんで取り付けます。このスポットライトを一灯プラスするだけでも、 陰影が生まれてドラマティックな空間に。照明はハードルが高いなんて思わずぜひ試してみてください。安いものなら2〜3千円以内で買えるので、チャレンジしやすいアイテムだと思います。

ぜひ、「あか抜けルール」で、気軽にインテリアを楽しんてくださいね。

 

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