3月から4月にかけては、子供の学習環境を見直す絶好の機会。新年度に向けて、心を新たにする気持ちが1年を通じて一番高まりますから、このチャンスを利用しない手はありませんね。しかし、親目線で「子供に最適な学習空間」を勝手に作ることは避けましょう。親の気持ちが先走ると、ケンカなどで衝突することが多くなるからです。

そこで今回は、親子がともに納得する学習環境の見直しはどういった手順で進めていくのが良いのかをご紹介していきます。

親子で学習環境を整えてくことが大切

大事なのは、子供がより勉強に前向きに取り組めるよう、親子で学習環境を整えていくことです。親がお膳立てしても、子供の気持ちが追い付いてきません。まずは、親子で「今より勉強に集中できるにはどうしたらいいのか」と、問題点を洗い出す作業を一緒に行うことから初めていきましょう。

一方的に子供を責め立てるのではなく、「より良い環境を考えていこう!」と説明しておくことが何よりも大切です。

それでは実際に、親子で学習環境を見直す4つのステップの進め方をみていきましょう。

ステップ1. 親子で話し合いながら進める

まずは、親子で学習環境の見直しを話し合いましょう。以下の3つのテーマに沿って話し合うと、スムーズに進みやすくなります。

1. 今よりどうなりたいのかを話す
2. 学習環境の問題点はどこにあるのかを親子で探る
3. 新学年の目標を決める

親が一方的に話すのではなく、子供の言い分もしっかり聞くことが何よりも大切です。前向きな気持ちをより引き出すために、明るい雰囲気で話すこともポイントと言えます。

ステップ2. 親の目が届く範囲内に勉強の場をつくる

子供の学年が低ければ低いほど、勉強場所は親の目が届く範囲内にとどめておくべきです。1人で勉強することに慣れていないと、集中力が途切れがちになります。すぐに声をかけられたり、様子を見られるよう、リビングに机を設置したりダイニングテーブルで宿題をするようにしてみましょう。

低学年から中学年では、親子のコミュニケーションを取りつつ安心して勉強できる空間を作り上げることが大切です。辞書やドリルなども、リビングに置いていて子供の勉強を一緒に確認するようにしましょう。そうすることで、子供は「親から見守られている」という安心感の中、勉強に励むことができます。

一方、10歳以降になると思春期や反抗期に入る子もいるので、注意が必要です。ダイレクトに親の目が届かないような場所に勉強の場を設けましょう。ただし、いきなり1人部屋を与えるより、リビングのソファーなど親がよく座る場所から見えにくい場所を選ぶなど、工夫が必要です。

高学年からは、次の3つのポイントを押さえて学習の場を作るようにしてみてください。

1. 子供から直接親の顔が見えにくように机を配置する
2. 親が何気なく勉強の様子を確認できる場所を選ぶ
3. 辞書や問題集などを一カ所にまとめて収める棚を置く

親子の距離感を保ちつつ、リビングやダイニングからチラッと確認できる場所が理想的と言えます。

ステップ3. ゲームやスマホの誘惑を排除する

勉強する場所の周辺には、ゲームやスマホを置かないように徹底しましょう。親も、子供が勉強している時に、子供の周辺でゲームをせず、用事がない時はスマホを使用しないなど意識してください。