株式市場の振り返り-日経平均株価は5日ぶり反発、薄商いの中の自律反発に止まる

2019年3月11日(月)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,125円(+99円、+0.5%) 5日ぶり反発
  • TOPIX 1,581.4(+9.0、+0.6%) 5日ぶり反発
  • 東証マザーズ株価指数 910.9(+10.8、+1.2%) 3日ぶり反発

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,335、値下がり銘柄数:730、変わらず:69
  • 値上がり業種数:25、値下がり業種数:8
  • 昨年来高値更新銘柄数:8、昨年来安値更新銘柄数:63

東証1部の出来高は10億4,596万株、売買代金は1兆8,418億円(概算)となり、いずれも先週末より大幅減少になりました。先週末のメジャーSQ算出が終わって手掛かり材料に乏しい展開に戻り、厳しい閑散相場となりました。売買代金は再び2兆円を割り込んでおり、証券会社の収益悪化が懸念されます。

そのような中、日経平均株価は方向感に欠けた値動きとなりました。前場の半ばに一時▲87円安まで下落しましたが、後場の序盤には一時+120円高となる場面も見られました。結局、5日ぶりの反発で引けましたが力強さには欠け、大幅安の後に見られる自律反発の域内だったようです。

なお、TOPIXも同じような値動きで3日ぶりの反発となりました。

東証マザーズ株価指数は3日ぶり反発、売買代金は24日連続で1,000億円超え

東証マザーズの出来高は7,720万株、売買代金1,072億円となり、いずれも先週末より減少しました。売買代金は24日連続で1,000億円超となりましたが、ここ最近では最も少なく、個人投資家の物色意欲に一巡感が出始めています。

ただ、株価指数は自律反発もあり、3日ぶりの反発で引けました。ただ、取引時間中には一時900ポイントを割り込むなど、方向感に欠けた値動きだったと言えましょう。

日経225に新規採用のオムロンがストップ高、トヨタ自動車は9日ぶりの反発

個別銘柄では、ソフトバンクグループ(9984)が大幅反発となり、東京エレクトロン(8035)、花王(4452)、NTTデータ(9613)なども堅調に推移しました。また、主力自動車株の一角にも買い戻しが入り、トヨタ自動車(7203)は9日ぶりの反発となっています。

一方、ファナック(6954)が冴えない値動きで続落となり、テルモ(4543)やエーザイ(4523)など医薬品株の一角も値を下げました。また、野村ホールディングス(8604)など証券株も軟調に推移し、銀行株ではりそなホールディングス(8308)が取引時間中に3日連続で昨年来安値を更新しています(注:終値は上昇)。

大きな動きがあったのがハイテク株でした。先々週以降、上場廃止に伴って日経平均株価採用銘柄から外れるパイオニア(6773)の代替銘柄が注目されてきましたが、金曜日の引け後にオムロン(6645)の正式採用が発表されました。

これを受けて、オムロンは値を飛ばしてストップ高で引けた一方、採用期待感で株価上昇が続いていたシャープ(6753)が一時▲7%安に迫る急落となり、村田製作所(6981)も一時▲5%安に迫る急落となっています。さらに、この2銘柄ほど大きな期待はなかったものの、ルネサスエレクトロニクス(6723)も一時▲7%安に迫る急落となりました。

従前から保有していた投資家はもちろんのこと、最近になってオムロン株を買い進めていた投資家には最高のプレゼントになったことは確かでしょう。

新興市場(東証マザーズ)では、窪田製薬ホールディングス(4596)が爆騰してストップ高で引け、ASJ(2351)も値を飛ばして同じくストップ高となりました。一方、ZUU(4387)が大幅安となって安値更新となり、同じく安値更新となった中村超硬(6166)は、昨年1月に付けた高値から10分の1以下に値下がりしてます。

葛西 裕一